History
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1937年3月、日中戦争勃発目前という激動の時代。先行き不透明な社会情勢の中、当時23歳だった創業者・木元剛が大阪・大宝寺にて「大宝商会」を立ち上げ、電気絶縁材料の販売を開始しました。わずか19万円の資本金と、確固たる信念を胸に、ものづくりの第一歩を踏み出します。
1940年代には、戦時体制下における航空機産業への協力工場として成形品の後加工に従事しながらも、終戦後の復興期には三菱電機をはじめとする民需へと活路を見出し、着実に成形技術を蓄積していきました。
1951年、大阪初となる国産射出成形機を導入し、射出成形部門を本格稼働。1960年には現在の本社所在地である守口市に淀川工場を建設し、生産の拠点を確立します。さらに、1967年から1970年にかけて鳥取・福岡・那須と日本各地に次々と工場を開設。日本の高度経済成長の波に乗りながら、プラスチック成形分野での存在感を一気に高めていきました。幾度もの時代のうねりと技術革新を乗り越えながら、全国へと広がる拠点網を築いてきた大宝工業。その原点には、「お客様から必要とされる会社」を目指し、時代の要請に応え続けてきた不屈の開拓精神があります。
・大宝樹脂有限会社を大宝工業株式会社に改組、資本金19万円
・三菱電機(株)姫路製作所と取引開始
・射出成形部門設立
・大阪初の松田製作所製ポット式竪型射出成形機第1号機設置
・塩ビ圧縮成形品ターミナルカバーで通産省から表彰
・事業経営の基本理念「綱領」「社訓」「社章」を制定
・創業者が西日本プラスチック成形工業会会長に就任
・経営基本方針と信条を制定
・合言葉「一人前、一流、一番」を発表
・創業者が全日本プラスチック成形工業会会長に就任
・三洋電機の洗濯機部品を成形開始
・創業者が産業功労賞受賞
・大宝グループの不動産管理会社としてタイロン株式会社を設立
・自社製品取扱専門部門としてタイロン事業部設置
1978年、シンガポールにTYLON (S) PTE. LTD.を設立。グローバルに展開を始めた大手顧客の強い要請を受け、当社も海外進出という新たな挑戦に踏み出しました。300万シンガポールドルという当時としては異例のスケールで始まったこの挑戦が、その後のアジア展開の起点となります。
1980年代には、国内外でのモノづくりの体制強化が進みます。改善活動の本格導入、加工技術の高度化、研究拠点の整備──現場と技術の両面から生産基盤を築き上げていきました。1989年にはマレーシア・クアラルンプール工場と大田原工場が同時に稼働。1998年には押出事業を分社化し、フィリピン・ラグナ工場も操業を開始。日本からアジアへ、成形技術を軸に事業の領域は急速に広がっていきました。
激動の時代に背中を押されながら、お客様とともに新天地を切り拓いたこの時期は、大宝工業の成長を加速させる大きな転機となりました。
・ZD運動Ⅱをキックオフ。今日の小集団活動がスタート
・松下電器共栄会社合理化成果発表で木目加工技術が特2級受賞
・大宝モールド摂津工場開設
・安全元年とし毎月21日を「安全の日」に制定
・松下共栄会合理化成果発表会で金賞受賞
・大宝工業経営基本方針(3本柱)制定
・鳥取に2色成形機、姫路にレーザー印刷機導入
・押出事業部を分社しタイロン(株)に移管
2000年代、大宝工業はアジアで築いた事業基盤を土台に、チェコ、フィリピン、インドネシアといった新たな地域へ次々と拠点を展開。アメリカではPIM技術の特許を取得し、リサイクル事業も始動するなど、技術とネットワークの両面でグローバル展開を加速させていきました。
ところが、2008年のリーマンショックは想像を超える逆風となり、世界経済全体が大きく揺らぐ中で、当社も変化への適応と見直しを迫られます。かつてない環境下でも立ち止まることなく、体制を再構築しながら欧米を含む海外展開の歩みを止めることはありませんでした。
その後も北米での拠点拡充やグループ再編を進め、変化のただ中にありながらも一歩ずつ地固めを進行。そして2020年、今度は新型コロナウイルスが全世界を襲い、産業界は再び混迷の渦へ。それでも現地対応力と柔軟性を武器に、私たちはその試練を乗り越え、未来への挑戦を続けています。
・PIM(パルプ射出成形)技術をアメリカで特許取得
リサイクル事業生産開始
・同時に3つの方針と3つのプロジェクトを制定
・大田原工場にRHCM(高速ヒートサイクル成形)技術を導入
・チェコにてシュコダ重工業団地内に賃貸分工場操業開始 (小型成形専用)
・マガタ富士化成株式会社と資本提携し大宝100%の傘下となる
・Minda Shenk よりリベレツ工場の譲渡を受け、DAIHO Schenk s.r.o. シェンク工場となる
・DAIHO USAを開設し、アメリカのPOLYFAB LLCを買収し、傘下とする。
・フィリピンにDAIHO INFORMATION TECHNOLOGY CENTER, INC.を設立
・大宝工業株式会社 関東カンパニー仙台センター稼働開始
・DAIHO Schenk s.r.o. シェンク工場を売却
未曽有の混乱をもたらしたコロナ禍を乗り越え、大宝工業は改めて自らの原点と向き合い、次なる飛躍に向けて歩みを進めました。
2022年、経営体制を整え、持続的な成長とさらなる企業価値向上を見据えた新たな挑戦がスタート。組織としての結束力を高めながら、上場準備という次のステージに向けた取り組みを本格化させました。
時代が大きく変わろうとも、変化を恐れず、自らを進化させ続ける──その姿勢こそが、私たちの歩みの原動力です。大宝工業は、これからも未来を見据えた挑戦を続けていきます。
・特別目的会社である大宝ホールディングス株式会社を設立
・初田勝俊副社長が六代目代表取締役社長に就任
・大宝ホールディングス株式会社が大宝工業株式会社の株式(100%)を取得し完全子会社とする